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入試動向 <総論>
文部科学省の学校基本調査速報、私学事業団の入試動向調査と独立行政法人大学入試センター発表の2005年度大学入試センター試験の試験結果データを基にメルリックス学院が各大学から独自に調査入手した多くのデータを加え、それらを詳細に分析し2005年度入試を総括し、2006年度入試の動向を探っていこう。
【大学全入時代が目前に】
18才人口が確実に減少を続け、2005年3月卒業の高校生は前年比で3万2千人減少した。進学率がやや上ったとは言え大学志願者は既卒(浪人)を含め2万3千人の減少となった。一方、薬学部などの学部を新増設する大学もあり、大学の入学定員は約6千人増加した。これまで言われ続けてきた「2007年度に大学全入時代が到来」ということが現実となる日が近づいてきた。
とは言え、人気が集中する大学あるいは学部の厳しさが緩和される訳ではない。易化する大学や学部もあるが、自分の志望する大学、学部はどうなのかしっかり見極める必要がある。
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| 入試年度 |
2004年度 |
2005年度 |
2006年度 |
| 高校卒業者数 |
123.5 |
120.3 |
116.1 |
| 現役大学・短大志願率 |
55.6 |
55.9 |
56.1 |
| 現役志願者数 |
68.7 |
67.3 |
65.1 |
| 浪人志願者数 |
14.0 |
12.5 |
10.8 |
| 大学・短大志願者数 |
82.7 |
79.8 |
75.9 |
| (大学志願者数) |
(72.2) |
(69.9) |
(66.8) |
| 現役志願者数比率(%) |
83.1 |
84.3 |
85.8 |
| 大学・短大入学者数 |
70.5 |
70.3 |
70.3 |
| 入学率(%) |
85.2 |
88.1 |
92.6 |
【センター試験、2年連続志願者減】
2年前の2003年度入試では60万人を超える過去最高の志願者数となった大学入試センター試験(以下センター試験)だが、2005年度は前年に引き続き志願者を減らすこととなった。センター試験は毎年参加する私立大学が増え、更に短大の新規参加も続いているが少子化という大きな波の前では志願者の減少は止められなかった。
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| 入試年度 |
2003年度 |
2004年度 |
2005年度 |
| 志願者数 |
60.3 |
58.7 |
57.0 |
| 現役志願者数 |
43.8 |
42.7 |
42.2 |
| 既卒志願者数 |
15.8 |
15.4 |
14.2 |
| 男子志願者数 |
36.1 |
35.0 |
33.8 |
| 女子志願者数 |
24.2 |
23.7 |
23.2 |
| 受験者数 |
55.6 |
54.0 |
52.5 |
| 受験率 |
92.2% |
92.0% |
92.0% |
尚、2006年度のセンター試験は新課程での初めての試験となり、2006年1月21日(土)、22日(日)に実施される。理科3科目が必須の大学があったり、英語でリスニングが導入されるなど変化が大きいので注意が必要だ。
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| 入試年度 |
2004年度 |
2005年度 |
増減 |
| 国語ⅠⅡ |
114.14 |
119.54 |
5.40 |
| 英語 |
130.10 |
104.94 |
13.64 |
| 数学ⅠA |
70.17 |
69.43 |
-0.74 |
| 数学ⅡB |
45.65 |
52.47 |
6.82 |
| 物理ⅠB |
62.92 |
59.97 |
-2.95 |
| 生物ⅠB |
62.67 |
51.58 |
-11.08 |
| 化学ⅠB |
54.30 |
66.06 |
11.76 |
| 世界史B |
61.47 |
63.19 |
1.69 |
| 日本史B |
56.52 |
59.27 |
2.75 |
| 地理B |
62.11 |
70.22 |
8.11 |
| 現代社会 |
57.27 |
70.22 |
12.95 |
| 倫理 |
69.87 |
67.03 |
-2.84 |
| 政治経済 |
61.49 |
64.55 |
3.06 |
【国公立大学志願者も大幅減】 国公立大学全体の志願者数は507,978人と前年に比べ26,257人、4.9%の大幅な減少となった。国立大学法人として各大学がそれぞれの特徴を競い受験生獲得にしのぎを削る時代が来た。
さて、国公立大学の医学部医学科だが、前年は国公立大学全体の志願者が減少したにもかかわらず志願者を増加させたが2005年度入試では前期で851人、後期で1007人の減少と前後期ともに志願者を減らした。
難関の国公立医学部のなかでも最難関と見られる旧帝大医学部では名古屋大学だけが志願者増で、残る6大学ではいずれも志願者が減少した。新課程入試を控え、慎重になった受験生心理がうかがえる。
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2003年度 |
2004年度 |
2005年度 |
| 前期 |
17,358 |
18,280 |
17,429 |
| 後期 |
13,547 |
14,639 |
13,632 |
| 合計 |
30,905 |
32,919 |
31,061 |
歯学部であるが、医学部同様前年の志願者増から一転、前期で121人、後期で83人の減少となり前後期ともに志願者減となった。
目立ったところでは、広島大学が前期で92人、後期で139人合わせて231人、前年より60%多い志願者を集めた。又、新潟大学も前期83人、後期40人合わせて123人、60%近く志願者を増やした。
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2003年度 |
2004年度 |
2005年度 |
| 前期 |
2,614 |
2,634 |
2,513 |
| 後期 |
1,800 |
1,915 |
1,832 |
| 合計 |
4,414 |
4,549 |
4,345 |
【私大センター利用入試も志願者減】 さて私立大学であるが、これまでセンター試験を利用する大学が毎年増加することによって私立大学は、一般入試で志願者を減らしても、センター試験利用方式入試は一貫して志願者を増加させてきた。しかし2005年度では一般入試で前年より5万2千人減らしただけにとどまらず、センター試験利用方式でも6千人志願者を減らすこととなった。この結果、定員を充足できない大学が更に増え日本私立学校振興・共済事業団によれば定員割れの大学は160大学で私立大学全体の29.5%にも至った。私立大学では大学間格差がより一層明確になってきた。
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2003年度 |
2004年度 |
2005年度 |
| 推薦 |
21.1 |
21.2 |
20.6 |
| センター |
60.7 |
62.9 |
61.8 |
| 一般 |
205.2 |
192.6 |
187.4 |
| 合計 |
287 |
276.7 |
267.8 |
【2006年度入試展望】 本格的な18才人口の減少期に入り2006年度入試でも高校卒業者は更に4万人程度減りそうだ。それに伴い現役の大学志願者も2万人程度の減少が見込まれる。また、既卒生も05年度が旧課程入試最後の年だったこともあり浪人を控える動きがあり2万人近い減少が考えられ現役、浪人とも減少する結果、大学志願者は67万人を切るだろう。
そしてなにより06年度入試で注意しなければならないのは新教育課程で行われる初めての入試年度という点だ。特に最も大きな変化のあった数学は志望校で旧課程がどのように取り扱われるのかを確認しなければならない。もちろん、旧課程履修者も新課程に新しく盛り込まれた分野を身に付け入試本番で新課程の問題を選択してもかまわない。前回の教育課程変更の時も数学で大きな変化があったが、その時は新旧両課程に共通の分野からの出題が多かった。また新分野からの出題があった大学では総じて問題は易しかった。これは大学側がどの程度の問題を出せば適当なのか分らないためで、現役生の質と合わせて大学側も初年度は手探りであるのでどうしても問題は易し目になる。
さて、新課程入試に伴ってセンター試験にも変更がある。注意したいのは英語でリスニングが新たに導入されることだ。これまでと同様に筆記部分は200点で、リスニングは別に30分の試験で50点の配点となる。ただし、英語の配点250点をそのまま使わず他教科とのバランスを考えて200点に圧縮換算する大学も多い。自分の志望大学がどういう配点になるのか確認しなくてはならない。
もう一点、このリスニングは教室ごとに聞かせるのではなく、一人ひとりが再生機を持ち自分で操作することになる。受験会場ごとの音質の違いによる不公平を防ぐためだが、この再生機の取り扱いには慣れておきたい。センター試験当日初めて触れるようでは精神的にも落ち着かない。そのためには、様々な模試で英語リスニングを受けるといい。
センター試験での注意点がもうひとつ、京都大、大阪大、佐賀大、京都府立医科大、大阪市立大の医学部ではセンター試験で理科が3科目必須となる。更に北海道大学では二次試験と合わせての理科3科目必須となる。飛び抜けて難関である医学部でも理科3科目となると受験生の負担は大きいだろう。受験生に敬遠されることも予想され意外な狙い目となる可能性もあるが、理科に自信のある生徒にとっては受けてみたい大学となるだろう。理科3科目が必須になった大学の志望動向がどうなるのか注意が必要だ。
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